ベーシック・コース
応用行動分析学(ABA)の基礎(行動と学習の基本原理、ティーチングテクノロジー、倫理)、犬(動物たち)の成功を助けるマネージメントとトレーニングの実践的なアイデアとテクニック、犬のボディランゲージについてお伝えします。全6講義を通して、動物たちの生活向上を支援するアニマルケア&トレーニングの現在のスタンダードと、それを実現するための方法を学ぶことができます。
図、写真、動画を中心にしたスライド、様々な資料やワークシート、ご自宅で実施していただくオンライン・コーチングを合わせ、見て、聞いて、実際に手を動かし、考え、感じて学んでいただけようお伝えしていきます。
行動変化の科学は動物共通のもの。犬のボディランゲージ以外は、他の動物にも応用できる内容です。犬以外の動物と暮らしていらっしゃる方、関わっていらっしゃる方のご参加も歓迎です。
2016年度詳細
- 講師:齋藤美紀, CPDT-KA
- コース構成:全6講義(毎月1日開催。4.5時間x6回=合計27時間)
- 獲得可能CCPDT CEU: 27CEUs。全クラス共通。CCPDT認定CPDT-KAの方のためのものです。
- 開催日、開催時間、開催場所、受講料、申込方法等については、各クラスのページをご覧ください。
講義内容
※予定。内容の一部を予告なく変更する場合があります。
Lecture 1. Enrichment エンリッチメント
- エンリッチメントとは?
- Enrichment Planning & Assessment
- エンリッチメントを考えるための3つのキーワード
- エンリッチメントのアイデア
- 嫌悪刺激による管理やトレーニングがもたらすもの
- 正の強化に基づく強要を用いないトレーニングが、人が管理する動物たちの福祉になぜ欠かせないのか
- Cooperative Behavior (Husbandry training)
- Matching Law
- Resurgence
Lecture 2. Behavior Basics 行動のしくみとラベルの危険性
- ABAとEthology 応用行動分析学と動物行動学の違い
- ラベルとは?
- ラベルがもたらすもの
- ラベルを貼ることから卒業するための知識
- Constructional Approach
- 行動とは?
- 行動と環境
- 行動に影響を与える結果の要件
- 強化と強化子
- 強化の自動性
- 行動の最小単位 ABC 3-term contingency
- 行動分析で内的出来事(Private Events)を除外する理由と、それでも行動を予測し、変化させられる理由
- 随伴と情動
- 刺激
- ABC分析
Lecture 3. Teaching Skill 1 マーカーと正の強化に基づく強要を用いないトレーニング(クリッカートレーニング)
- トレーニングとは?
- 正の強化のトレーニングの要件
- Mutual Communication
- 教え手の役割
- 2つの学習プロセス
- マーカー
- 反応クラス
- クライテリアと目標行動
- Baby Steps / Right Steps
- Stimulus Control
- 標的行動を獲得・形成するための基本テクニック(Capturing, Luring, Prompting, Shaping, Chaining, Targeting)
- 行動完成までのプロセス
- Luringで教える場合の基本ステップ
- 最初からキューを使って教える「呼び戻し」
- クリッカートレーニングを成功させるためのルールとポイント
- 完成したキューと行動を維持するために必要なこと
- Loopy training
- Jackpot
- 強化スケジュールと消去
Lecture 4. Teaching Skill 2 先行事象のアレンジとシェーピング
- 先行事象のアレンジ Antecedent Arrangementとは?
- 実際の例から考える、見直せること、変えられるもの
- シェーピングとは?
- シェーピングとチェーニング
- Spliting & Slicing
- プランと柔軟性
- High rate of reinforcement
- いいシェーパーとは?
- シェーピングを成功させるためのポイント
Lecture 5. Teaching Skill 3 犬がミスをしてしまったときにどうすべきか?
- 犬はいつも正しい
- 行動支援のためのシンプルモデル
- 犬の成功を妨げているものを見つける
- 行動と学習の科学から考えるとやるべきことが見えてくる
- Poisoned Cue
- LRS(Least Reinforcing Scenario/Stimulus)
- Differential Outcome Effect
- 行動モメンタム
- NRM(No Reward Marker)が実際に起こすこととは?
- 負の弱化(Time out from reinforcement)や消去を用いる前に考えるべきことやるべきこと
Lecture 6. Canine Body Language 犬のボディランゲージとBehavior Problem 行動問題への対処
犬のボディランゲージ
- 犬のホディランゲージとは?
- なぜ犬の小さなサインに気付くことが大事なのか
- 誤訳しないための知識
- バイトスケールとその前段階の犬の行動
- 見るべきポイント
- 実際の写真と動画を使った犬を読む練習
行動問題への対処
- 正の強化を使った行動改善 Most positive and least intrusive (aversive) effective (positive reinforcement-based and empowering) behavioral intervention procedure
- Fair pairs
- 問題のある行動とは?
- 罰ではなぜ成功しないのか?
- 強化の停止だけではなぜ成功しないのか?
- 行動機能査定と介入設計 (FA & ID)
- 実践的な手法の知識(応用行動分析のテクニックとトレーナー考案のテクニック CC&DS、DRA、DRI、DRO、LAT、CAT、BAT、ロック-アンロックゲーム、Retreat ’n Treat)